広島 田舎者フェス アラウンド

1月6日当日。朝の9時に仕事を終えたオレは24時間ギターを預かってくれる場所に自分の荷物を取りに行った。


博多から広島へ。特筆すべき事は何もなく新幹線は時速240キロか何かで線路の上を走って行った。


まずはギターの丸山君と合流する為、信じられざるスムーズな形で西広島に降り立った。

誰でもそうだろうが初めて来た土地はドキドキする。

力付くで自分の気持ちをねじ伏せてコンビニエンス・ストアーでビールを買う事とした。

新しい、知らないものだらけの中で敢えて知ってる場所に入るこのスリルはお分かりでしょうか?

ギリギリまで乾いて、後に出来る限りを吸収する準備体操。オレの頭には闘牛士をさす為のツノが生えていたのかいなかったのかしらん、とにかくレジに缶ビールを持っていくと

浅黒い肌の40代店長が慇懃な様子で「お支払いはビザリングで?」とのたまった。

完全に面食らったオレは、「え?はいカードで。」と左ジャブで返したところさらに店長は「ビザリングですね」と右ストレートをねじりこんで来たのでオレは青コーナーに沈む事となった。かろうじて手にはビールだけが残った。


丸山君との約束にはまだ時間があったので広島で最古らしいお好み焼き屋さんに入った。80歳を超えても60年間おばあさん1人でお好み焼きを焼いているとの事。とてもシンプルで美味しい。そのおばあさんと1対1の形になったのでもう何百と繰り返したであろうおばあさんの半世紀のお話を聞いて1時間程で店を後にした。

とても大変ないい話だった。


丸山君と合流し、自宅で少し練習をして本日の会場であるヲルガン座へ向かった。関係無いが移動中、本当にコンビニよりも鉄板焼きのお店の方が多い事に驚いた。


ヲルガン座、ふらんす座のあるビルごと経営するゴトウイズミさんと終演後に挨拶できた、ずい分前から知っている人だったが会えたのは初めてで嬉しい、僕の事も知っていてくれたので嬉しかった。


この日は噂に聞く広島の「田舎者フェス」の前夜祭でお座敷ライブ、


15時半に開場し、23時くらいまである長丁場、お正月的イベントという事もありダラリと緊迫するような面白い雰囲気で途中退場する人も少なく(!)皆音楽をやったり聴いたりしていた。


全出演者とても良い演奏だった。真正面から全部見る、という具合には行かなかったが出来る限り知りたかった。僕は偏った人間なので音楽なら何でも好き、という風に行くべきがなかなか行けないのですが全部とても良かった。前夜祭ではあるけれど田舎者フェスというものに期待と信頼がある事を感じた。


エマニエル大弥、kneeeee、ロケット、anndoe、藤谷さん、たけださんたまいし、ルーペズの2人、端島遼一

桝本さんありがとうございます。


アンドウ君のエレキギター弾き語りや端島さんの楽屋での演奏が印象的だったのと桝本さんのピアノ弾き語り、そして全く知らなかったとても良いルーペズ。覚え書きみたいですみません。

他の人が書いた分には楽しく読むのですが音楽の感想書くの好きではないのです、、、


今回のソロは数日前に丸山君から一緒にやりたいと言ってくれたのでとても嬉しかった。最近色々と思ってしまう事があり自発的に言って来てくれた事に感激した。


それでも演奏するのはオレ1人のソロ名義。いつもながらの自分のオレと私と僕と我とIの大戦争。どんどん小さくなっていく自分に助けと色彩をくれる丸山君まで巻き込んで終了。

今年もソロは一回でも多くやります。1人でもやりたいし、また丸山君とやりたい。嬉しい感想までもらえたのでとにかく演奏をしたい。

そしてオレはまたこのビルに再び来る事を自分の義務とした。


終演後は広島の繁華街へ。打ち上げは本当に良い打ち上げだったと思います、音楽そのものや現状と活動の仕方、これからの事など。

新しく出来た友達オカハラさんや、さよさんの話し方と洞察力?が面白くて舌を巻きました。


アンドウくん屈指の?チョイス、広島の鉄板居酒屋、凄い。お好み焼きやウニホーレン草など衝撃的であった。僕や丸山君はこの食べ物にこんなにも衝撃を受けたのに、地元のみんなはその場にウニクレソンがない事に憤り、天まで呪わんばかりの発言もありなんだかとても頼もしく、愛と天才を感じた。何というか文学的で文化的、伊丹十三著の本を読んでいるようで。その場に無い、ウニとクレソンを調理した食べ物にみせた天才達の偏愛はもう僕に世界最高の食べ物はその幻のウニクレソンに違いないと確信させるに何の躊躇もないものだった。ああ、未だ知らざるウニクレソンよ。


夜も更け、皆で繁華街の無料案内所の前で写真を取り解散した。


この日はアンドウ君の家に泊まる為

サヨさんが送ってくれた。どうもありがとう。楽しさのあまり、眠るその瞬間までアンドウ君に相手してもらい僕は30年ぶりにコタツで眠りの国に入国した。


翌朝、またしてもアンドウ君屈指のチョイス「みやさん食堂」へ向かった。


タクシーで降りたその土地は一瞬で空気が伝わった。路上で立ってるだけのおっさんや、やたらとビニールで覆われた家などなんかもう色々アレだ。


店に到着すると僕の楽器はちょっと邪魔だったので店の裏に置く事になった。自転車と同じ要領だ。無論、文句などない。アンドウ君、土地柄、ホルモン天ぷら、ホルモン汁の看板や、店構え、すでに店内で出来上がっている先客の様子を見て僕は期待と興奮で何も不快な事などなかった。

そうして僕は自分のギターを駐輪し

入店したがもう目が眩んでしまった。お客の席に1つ1つまな板と包丁がおいてあるのだ。もうこの時点でノックアウト。天ぷらやでこのスタイルの意味は全く謎で期待値でオレは弾け飛びそうだった。実際オレは少し欠けたと思う。


アンドウ君は手慣れているのでどんどんオススメを注文してくれた。無論、とても安い。ホルモン天ぷら、と一口にいうがあらゆる内臓が天ぷらになって出てくるしおでんにも内臓が入っている。卵など殻付きでおでんに入っていた。そういう地方もあると知識では知っていたのだが目の前にするとなかなかだ。


そうして届くこの最高の料理達はハチの巣や、せんまいなどもかなりの大きさで入っているので自分で切り分けて食べるのです。ナイフとフォークではダメです。包丁とそれを受け止めるまな板でなくては。振舞われたお屠蘇やどんどん煽られる追加注文をお願いし、キャベツとゆずの皮が効いたホルモン汁を頂いたところで死んだ。というか許してもらった。最高だった。小とは何なのかわからないごはんの量とポン酢と辛子で食べる天ぷらよ。ここにも再訪を誓います。店を出ると茹でられたばかりの内臓が干されてあった。


オレは今回の行程で初めてビールではなくお茶を買った。


再び拾いに来てくれたサヨさん、アンドウ君と街中で低空飛行するパラグライダーなどを眺め、広島駅近くの中古ギター専門店に送ってもらった。2人共、本当にありがとう次の機会を楽しみにして下さい。お返ししたい。


そのギターショップはビザールギターが多く、国産のちょっと中々みないオールドギターがたくさん置いてありここでかなり時間を費やした。


「本と自由」というとても信頼厚い面白そうなお店に行けなかったのが今回の唯一の悔いであった。少し通ったが横川という平気で何日でも使えそうな街だった。次こそ。


本当はここで福岡に帰るべきであったがこの日1月7日の田舎者フェスの出演者が見たいバンドばかりだったので全く都合が合わないが広島の4.14というこれも是非来たかったライブハウスに向かった。


路面電車は街の静脈で広島は身体のようだ。


会場に到着すると当然だが誰も知らない。これは厚かましくリハ中に入るのは難しいかなと逡巡したし、勿論入るべきではないのだが色々覚悟を決め、入る事とした。


昨日顔見知りになれた人やオカハラさんのはからいもあり、主催者の人に大変申し訳ない許しを得て色々なバンドのリハーサルと、1番目のウサギバニーボーイまで見る事が出来るラッキーボーイとなった。ホントにすみません。ありがとうございます。色々な人と話せました。


関係無いが、話してみると皆物凄い好奇心のかたまりで九州のバンドは勿論、一度も広島で演奏した事は無いですがtepPohseenとかも知っててくれたので有り難かった。なんだかわかんないがもっと知られるように頑張ろうと思った。


スピーカーゲインティアドロップ、ヌイルも見る事が出来てとても有意義だった。次回は正しく見に来ます。ホントにカッコよかった。

ホントにこんな体験の仕方で申し訳なかった。時間が無いから、などとは僕の勝手な都合だ。


ウサギバニーボーイのライブ、圧巻。ここでどうしても福岡で四部屋の会議があるので新幹線に乗らなければ行けなかったので見送ってくれたアンドウ君、ギリギリ会えた神田さんにも別れと御礼を告げ広島駅に向かった。


皆さんありがとうございます。


そして今これを書いているこの瞬間にも田舎者フェス最終日が行われていてルーペズが演奏してるのだと思うと今すぐにでも戻りたい気分だ。


再び広島へ行く事を想像しながら